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アクティビスト、フェミニスト、クィアとして活動するとある外国大学関係者の生活の中からの視点。(C)flowfree 初めて寄られる方は、カテゴリ:管理人、の”こんにちは”を読んで下さい


by flowfree
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多様な性:日常にある生活

色々なセクシュアリティー間の力関係を踏まえて考えるとどうしても世間では
異性愛者の生活は当たり前のように見えてそれ以外の方たちの生活というのは
なかなか当たり前のようには見えないだろう。

50代の高校の国語の教師だという女性が日本から現在留学していて
こう言った。
”ゲイの人自身が色々と話してくれないから私たちもわからないし、
わたしもそんな人たちが実際に存在してるなんて知らなかったのよ。
彼らが話してくれないなら私がわかるわけないと思う”

仕事柄と個人的な興味として日本の文学をたくさん研究してきているらしく
文学では同性愛の男性が存在するというのは知っていたけども
実際にいる人間とはかけ離れた話だ、と断言していた。
しがし授業で宿題として出された読み物を通して初めて本当に
そういった方たちがいるのか、と思ってきた、という。

一つの読み物に載っていたのはあるゲイの若手教授の発言だ。
”そのうちにゲイだからと言っていつも説明を求められたり
しなくてもいいような社会を目指したい”
これには色んな意味が含まれているだろう。

でもこの教師だという女性はこの部分を読み、
憤慨した様子で始めの言葉を放った。

色々と思うところはあるが、一つは
同性愛者などのセクシャルマイノリティーに異性愛者
の方たちはこういう質問攻めにあったことはないだろう、ということ。

異性愛というのはどういうものか、どうして異性愛者になったのか、
いつから異性愛者なのか、両親は知っているのか、
恋人はいたことがあるのか、自分の文化はそういうことを受け入れるのか、
どんな差別を受けているのか、などなど・・・

もうこの時点で大きな違いがあるし、話す、話さないに関する意味も変わってくると思う。
しかしそれよりも話して説明したい人もいれば、
プライベートな事にもなるので話したくない人はそのプライバシーも
尊重されるべきだ、ということ。
セクシャルマイノリティーだからいつも説明する責任があるのか。
まったくそうは思わない。

もちろん、好奇心や素直に色々知りたい、という人たちや人間関係を持てる
人には聞かれてないのに話したくなる人もいるだろう。
これはやっぱり人間関係の下に成立する話だと思う。

ゲイだから、セクシャルマイノリティーといして知られてないんだから
異性愛者というマジョリティーに説明するべき、というのは
力関係的にも実はとても危険な思考でもあったりする。
そこにフレンドリーで人間関係があるのなら別だ。
でも大学のゼミなんだから。

また日本の年配女性代表として見られてしまいがちな
言動に筆者はがっかり。実はフォローしようと頑張ったが
”ゲイは説明するべき”と憤慨しているおばちゃんは他の形で
理解していこうという姿勢が見られない。
頭がカチンコチンになっているんだろう。

ということで改めて書いてみる。

異性愛者の方たちの生活やそれ以外の方たちの生活を語る
というのはそれなりに表象的力が関わってくる。
筆者はいつもそれを頭に入れて
異性愛者ではない方たちの日頃の何気ないことも書いているつもりでいる。
表象的力やそれによる力関係も当然権威と結びつくので
筆者はセクシュアリティーの力関係の脱構築のために、
異性愛間では当たり前のような日々のことも
異性愛者以外の性自認に当てはまる方たちの形として語るのは大事だと日頃思って
書いている。

とちょっと毎回書いてもしょうがないので省いている事を書いてみたのだが
速い話がゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランセクシャル、トランスジェンダー、
インターセックス、などの
方たちの日頃の話を明らかにするのもある意味反権威主義に関連するとみて
意味があるところがある。でも彼らの話全てがそうだとは思わないが。

筆者の場合はこれらの方の全ての話が意味があるとは思っていない。
人によってはセクシャルマイノリティーだからなんでも評価されるべきだ、と
主張する方も入るが、筆者は内容を選んで行きたいと思っている。
意味があると思うものでも筆者にとっては興味の無いトピックというのもあるし。

それで以前もsexualityカテゴリに入れて書いてきたが
これからも興味深い、不思議だ、なるほど・・・と思ったものも
ちょっとでも書いていきたい。

まあ筆者にとっては異性愛者の方たちの恋愛の形もとっても不思議に思うことも
死ぬほどあるんだけも。それらも含めて書いて行きたいと思う。
by flowfree | 2005-11-07 18:38 | 多様な性:日常にある生活