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アクティビスト、フェミニスト、クィアとして活動するとある外国大学関係者の生活の中からの視点。(C)flowfree 初めて寄られる方は、カテゴリ:管理人、の”こんにちは”を読んで下さい


by flowfree
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”あのお方”についての映画The Sunを観て

観てしまった、イッセイ尾形主演で彼がテンノウを演じる
The Sun。
イッセイ尾形がそっくりに演じてる写真などはここでみられます。

なかなか面白いアプローチ。
フランス、イタリア、ロシア、スイスが合同で作った力作。
だけどほとんどはあのお方が宮殿内外で戦争中、どう過ごしていたか、
というのが観られるお話であまり合同作の強さが正直わからなかったが。

しかしイッセイ尾形、すげー!というのが初めの感想。
あのお方が歯を上下ガチガチさせず、あごも極力動かさないで
話す様子を物の見事に真似ている。これで、
ア、そういえば、あのお方こうやって話すなあ、って理解したほどだ。

アメリカ兵士はステレオタイプのままに、
”文化を理解せず、配慮せず、尊重せず、失礼極まりない態度”
を取っているがさて、ほんとにそこまでだったのかな、という気もしないでもない。

そしてこの映画を観ると、あのお方の言動や
マッカーサーとのコミュニケーションの仕方
をみて”ああ、もしかして皇居が狙われなかったのは
これが理由か・・・”などと思えてくる。
でも本当にあのお方は、それほどまでに、
”日本は一大事な現状に追い込まれているのに”
そうは思えない言動をマッカーサーに表していたのだろうか。

あのお方の言動の書かれ方もステレオタイプのように見えたが
(”結局天皇は〜”みたいにネガティブな捉え方)
さて、どうなんだろう。
色々な本がでているし、早速読もうと思った。
実は最近あのお方の親族が書いたという本を買っんだけど
荷物からまだ出していないのでネットで
探したらどーにもこーにも出て来ない。
なんででしょう。。。

ここは思いっきりネタバレになりますが・・・
あのお方が
自分は神ではない、人間だ、
と書記の人間に伝え、書かせたのに
それを確認しようと、その人物は?と聞くと
自決しました、という答え。
それを聞き奥さん役の桃井かおりは
スゴい鬼のような顔をしてあのお方役の
イッセイ尾形を睨む。
お付きの人役の佐野史郎にあのお方は
”君はもちろん(自決するのを)止めたんだろうね”
というとお付きは
”いいえ”
と答える。ここで映画は終わる。

そして映画のクレジットになるんだが
やっぱりロシアにスイスにフランスにイタリアが関わってちゃ
クレジットが長いのなんの、なっかなか終わらない。
だからその分ずっと映画の最後のシーンの意味を考えてしまう。

日本が関わって作らなかった映画、と思うと
そしてアメリカも入っていない、というと
ロシアやヨーロッパによる
日本とアメリカの当時の関係のステレオタイプ的な理解とも思えるし
西欧で流れている、外国語で読まれ書かれた当時についての
文献のみが主に使われたというのが予想できる。
もちろん、日本語が操れる方も関わっただろうが
日本にあるかなりの数の当時を分析、検証、説明した
文献をもちろん把握してないまま作ったのかもしれない。
いやもしかしてスゴく把握して作ったのかもしれない。
ただ、ちょっとステレオタイプ過ぎて私は納得ができなかった
内容だった。政治の映画としては西欧に都合が良過ぎるような。

でも俳優の演技(日本側の役者とマッカーサーの通訳の役者)
は素晴らしかった。あと雰囲気が昔の日本映画のようだった。
一つ一つの静かな行動をとても繊細に追っていて
意味のなさそうな言動が実はしっかり大事な意味がある、などと
わからせるゆっくりなストーリー展開。

西欧が力を入れて作ったテンノウの話、というものをみて、
ある一つの西欧の見解の仕方、というのが学べた気がした。
彼らの理解するまあ一部だとしても、
”第二次世界大戦中のテンノウ”
が観れた気がした。
by flowfree | 2006-02-08 17:08 | 映画:政治関連