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アクティビスト、フェミニスト、クィアとして活動するとある外国大学関係者の生活の中からの視点。(C)flowfree 初めて寄られる方は、カテゴリ:管理人、の”こんにちは”を読んで下さい


by flowfree
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恐ろしい映画業界

みなさん、お仕事のパーティーというのに行ったことありますでしょうか。
それもコネ作りが目的の。
これらは仕事をしてたり、何らかのグループに関わっていれば
集まりに行って宣伝したり、知り合い増やしたりの大事な行事なのでしょう。
大学にももちろんありますよ。例えば自分は違う大学に移りたい、
違うポジションを得たい、偉い役職が欲しい、賞が欲しい、
まあとにかくなんでも上の人や特になる人とうまくやっていくことに
悪い事はないですが他人にゴマすりをしたり、思ってないことを言うのは
やりたくないですよね。筆者はそういうのだいっきらいですよ。もちろん。
やらなきゃいけない、っていうのは時々ありますが
人の顔からいやらしいさや欲望が見えると吐き気がします。

さて、しかしもっとスゴイ吐き気や頭痛や人間不信になるのが
映画業界の集まり。これは大学関係者のモノとは比べ物になりません。
映画業界は役者、監督などを含め、かなりの実力を持っていても
運とコネがなければ認められないんです。
映画業界の"成功”の基準というのがまた上を見ればきりがないほど上があって、
その差も恐ろしいほどある。

例えばある監督は映画館で一本の映画を上映できるものを作り
色々な国で呼ばれ、それぞれの映画祭で特別扱いされ、
さらに新しい作品を作りやすくなり、紹介され、また出品し、映画祭へと忙しく周る。
これは成功とも見れるだろう。ただこの監督は個人営業。
映画監督と言えど映画祭で呼ばれても払ってもらえるのは旅行費、
ホテル費くらいでその間の基本的な食費や交通費などの費用は自分もち。
いや、どこか大きな会社に所属していれば会社が全て持てたり、さらに
関係者を連れていって、大宣伝もできる。
だけど個人では映画祭に呼ばれる度に、費用が重なってしょうがない。
そして色々な国に呼ばれて、その国々が比較的近くても、
映画祭の日にちが近くなければまた家に戻り、数日してすぐに経つ、というのは
日常茶飯事。映画祭の人間も同時期にわざと重ならないようにしないと
映画も上映できなかったりと色々と都合がある。

個人での監督であれば色々な国も行きたいし、宣伝もしたいし、
他に呼ばれている監督と会って話したりコネも広げたいが
旅行疲れで時差もあってやりたい仕事も遅れたり、体がついていかなかったりする。
かなり酷なのだ。
しかし個人だからそういうところに行かないとコネが作れない。
それにその間にお金が入るほかの仕事もやっていたほうが望ましい。
作品もたくさん作らないといけないし、その間にお金も必要だ。
"成功”と一言言うと、作品が国々で認められてきているといういみでは
成功かもしれないが、この監督には金銭的な安定からして
ちゃんと成功を掴んでいるとは思えないのだ。

だから逆に誘われた映画祭の中でどれに参加して、誰が来るか、というのを
事前にチェックするのはとても重要でそれをみて優先順位をつける。
たまたま行く事にした映画祭でスゴイコネが出来たら万々歳だ。

という上の例でわかってくれると思うが、こんな時のコネ作りへの
熱意、興奮、テンション、勢い、というのがハンパじゃない。
お金と時間と将来と地位と名声と何もかもが”この一瞬”で決まるかも!!
しれないのだ。ちょっと大げさ、と思われるかもしれないが
上の状態の人間のことを考えてほしい。日々、”なんで外国でも
認められている映画監督がこんなバイトしないといけないんだよ”
と落ち込んだりしていたりする。それが超有名監督が来れば
現在関わってる作品を宣伝して、見せて、連絡して、
感想を聞いて・・・というステップの繰り返しでそんな状態が覆(くつがえ)せる
かのしれないのだ。

というか、映画業界の人間は、こういう手順でしか成功を手にいれられないのだ。

だから集まりでの命の賭けたコネづくりというのはもう凄まじい。
ある友人はいつもは楽しく思いやりを持って話しているのに
映画関係の集まりではガラッと性格を裏を返したように変える。
友人と話したりすれば自然とどーも、とみんなと話していくが、
彼らにとってはヒトと知り合うと言う事が財産。他人に関係者を
紹介すればするほど自分が得られる可能性が低くなる、と見る。

映画業界を考えればしょうがないのかもしれない、とも思える。
本当にみなが必死。生き残れない人間がほとんどなのだ。

しかし筆者はアクティビストと自負している。こんな人間関係に
人権なんてあるわきゃあない。実力がないものでも、
"重要”な人物と知り合い、仲が良ければ持ち上げられ、鼻高々。
実力が凄くあり、人間性も魅力的がある人物でも
”ナニモナイ”人間だったら存在さえ気づかない。

でも”ナニモナカッタ”人間がもしなんらかの形で次の日に
きっかけや運を掴むとドワーっと人が寄ってくる。

まあ芸能の世界ではよくあることかもしれない。
初めに言ったようにどこの世界でのある程度あることだ。
ただ、映画業界というのの特殊性というのもあると思う。
映画、映像、という芸術作品であって、良い、悪い、の基準もなかなか掴めない。
でも映画業界が北米のエンターテイメント事業をかなりの率で握っているのも事実。
たくさん企業も関連しているし政府も補助する。
それを踏まえてこの業界、恐ろしいことがた~くさん関わっているんである。

これについてはちょくちょく書いて行きたいと思う。
結構ネタは暖めていて、業界の汚い部分を暴露していきたい。
by flowfree | 2005-10-18 15:41 | film